“おかえり、ただいま”

家族みんなが包みこまれる家

趣味多彩なご夫婦、お子さま3人のにぎやか家族の家。
ニモの世界のアクアリウム、 みんなで手入れを楽しむガーデニング。
ロフトの秘密部屋は、たくさんの本に囲まれリラックス。
南への開放により、自然の恩恵が建物いっぱいに感じられるI邸をレポートしました。

 


リノベと新築どっちがいい?


J(JO)ご無沙汰しております。設計、工事後もお世話になってます。建築後、家の全体チェックで、おじゃまに上がりました。
I(お施主様)こちらこそ、お世話になり、ありがとうございます。子どもたちも、すっかり、家に慣れ親しんで喜んでいます。
J  設計の打合せで事務所に来てもらった時から、無邪気で元気いっぱいな、三人のお子さまたち。こちらも明るくなりますよ。
I  母屋(新築前に住んでいた実家)にいたときから、子どもたちと仲良く遊んでくださっているので、打ち解けているのでしょう
J  Iさんの母屋は敷地が広いですからね。お子さまたちは、走り回って明るく育っていますね。
I  ええ、三世帯で住んでいた時もあって、とてもにぎやかでした。その時に、家の相談に乗ってもらったのですね。
J  Iさんの場合は、裏の古民家を利用した、リノベーションの案もありましたね。築古でしたが、柱も梁もしっかりした大きさの建物でしたよ。
I  いくつか、リノベーションの案もご提案頂きました。
J  和小屋組(屋根の構造部分)で、スパン(柱と柱の間の距離)を飛ばす構造躯体、4間×8間の無柱空間だったので、いろいろな平面プランが可能でしたね。
I  建築コストも合わせて提出してくれたので、ローンなどの金銭目安もつきました。ただ、リノベーションだと築古という点で、親が少し気がかりに思ったのか、前の畑を譲ってくれる話が持ち上がってきたんです。
J  そうでしたね。リノベと新築、どちらがいいかの判断は、具体的なシミュレーションを行う必要がありましたね。費用だけ見れば、リノベとなるのは当然ですが、設計の自由度や、金額の支払いを考慮して、どちらにするか決定することが大切です。
I  比較の判断のよりどころを頂き、新築に決めたので、その点は無駄な悩みや心配事を抱えずに済んで良かったです。
J  リノベの場合はもともとの建物の制約が大きいですし、新築は更地の影響が大きいので、そのメリット・デメリットをはっきり説明して、決定していくといいですね。
 

 外観

リノベ検討時

この敷地にどんな建物が?


J  Iさんの場合は、土地の借入金が無かったこともあり、新築の場合のコストが見通せたことは、大変良かったことだと思います。
I  父が農業をやっているので、もともとは畑だった土地を譲り受けるため、土地の形が気になっていました。
J  他の住宅会社のプラン提案を拝見しましたが、敷地に寄り添った提案でなく、規格住宅が敷地に置かれただけのような印象を覚えております。
I  実際、当初の土地は使えず、細長い土地に家を建てる計画になったので、これは、きちんと設計をする方が良いと思い、城越さんに依頼しました。
 J  田園地であり、回りの風景に邪魔になるものがなく、風の通りも良い敷地でしたので、こちらとしてもやりがいのある設計をさせてもらい、感謝していますよ。
I  子どもが小学生のうちに、新居が建てられて良かったです。子どもの自立と成長のためにも、自分の部屋を持たせてあげたかったので…。
 J  「子ども部屋3部屋で、リビングとダイニングを分けたい」というのが、最初の大きなご要望でしたからね。細長い敷地でしたので、部屋を3部屋設けることは、熟考しました。部屋の数が多いと、どうしても廊下的な動線通路が必要になりますのでね。
I  無駄のない動線通路を設計することに、配慮してくださったのは覚えています。「それを実現するのが設計士」と思っていたので、こちらは、お任せでプランができるのを楽しみにしてました!
J  期待に応えなければと奮闘しました。それから、Iさんの家は、内部の扉はすべて引戸にしています。引き戸と開き戸、賛否両論あると思いますが、風の通りを考えると引戸の方が良いですね。引戸は仕舞い込めば、扉が隠れるので広く見えますしね
I  確かに、すべて引き戸ですね。吊り式にしてくださったので、軽くて使いやすいです。たまに子どもたちがすごい勢いで閉めることがあるので、その辺は、躾をしないとですね(笑)
 
 
 

畑だった頃の敷地

リビングから緩やかな段差で繋げたダイニングを望む
 


こだわりのあった「こもり部屋」


J  印象的なのは、趣味を楽しむために計画した、数百冊ある漫画や書籍を収納する書庫ですね。静かにこもれる空間というご希望でした。ここは絶対に譲れないこだわりの部屋です!という強い想いがひしひしと伝わりました(笑)
I  それで小屋裏に作ってくださったのですね。子どもたちは、「秘密の部屋って言っています(笑)今も、実家で子どもの頃に読んでいたように、床にしゃがんで体を丸めたスタイルで、本を読んでます。漫画本や文庫本のような小さい本でも、たくさん収納できるよう、本棚が手前と奥とで2冊置けるのは、重宝してますよ。
J  施主さんのこだわりが実現できたことは、こちらにとっても、とても嬉しいことです。設計段階で、本の数やサイズをじっくり把握しました。今後増える持ち物も考慮してどれだけ収納できるか、造作家具を設計するのも、家全体を設計することにおいて必要なことです。
I  設計段階の時に、事務所にお伺いして、実際の本棚や写真を見せていただいたのは、よく覚えています。参考になりました。
J  そうでしたか、それは、ありがとうございます。あの時、お子さまたちが、木っ端を、積み木の感覚でバランスよく積み重ね、身長くらいのタワーを作っていたことをよく覚えていますよ
I  城越さんには、親しみを覚えているようで、事務所でも無邪気に遊んでいましたね。
J  芸術品かと思いました(笑)子どもの発想は素晴らしいですね。若き建築家の誕生の瞬間でしたね!
 
 

 

 こもり感ある書庫

 木っ端タワー!


動物たちとも仲良く暮らしています


J  以前は、ウサギもいて、いまでは、猫も飼っているようですね。
I  私、動物飼育学校に通っていたので、動物好きなんです。
J  ファインディング・ニモのモデルの魚もいますよね。水槽をどこに置くかも、しっかり吟味しましたね。
I  いい位置で、キッチン周りが回れる動線なので、みんなでかわいがっています。リビングもダイニングも大開口なので、庭にすぐ出られますし、冬の時期は、猫と一緒にポカポカ日向ぼっこしていますよ。
J  ご夫婦とお子さまだけでなく、動物たちも、家族みんなで喜んでもらえているようで、設計冥利に尽きますよ。こちらも温かい気持ちになりました。今後も長い目で見ると、メンテナンスなども出てきますから、お付き合いの程よろしくお願いします。

 
アクアリウム

庭で育ったグランドカバー