
バランスよく、しかも均一でないこと
住まいはバランスが大切です。
調和と言ってもいいかもしれません。
敷地と建物で言えば、敷地いっぱいに建っているのではなく、引きのある建物を造ることです。そうすることで、庭の空間が生まれます。
道路から庭を通り、家の内部へと導かれる。庭は、持ち主にとっての外と中を繋ぐ中間領域であり、充実したアプローチになります。
引きの取れない場合は、家の軸線を対角線上にとって、少しでも引きをつくる場合もあります。
狭小敷地の場合であれば、どこかに抜けができるように考えます。それは、開かれた方角に、窓を設けたり、トップライトで空に抜けを造ったり。
見せたくない方向は、壁で面をつくります。
全体が見えないからこそ、向こうに何かがあるのかな、という感じは、空間に広がりを与えます。
開いていればいい、閉じていればいいということではなく、バランスを上手くとるということです。
それは、敷地と建物だけでなく、全体のバランス、リズムです。


高さと低さ
広さと狭さ
明るさと暗さ
与えられた敷地、そして建物を、囲まずして囲み、隔てずして隔て、仕切らずして仕切る。
相矛盾するコトとモノをバランスよく調和させることにより、生活にリズムが生まれ、生き生きした空間になります。
バランスよく全体の空間が成り立ち、それぞれの場所のもつ質が均一でない家は、自分のその時々の気持ちに寄り添い、楽しく気持ちよい空間となるでしょう。
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